ウィジェットの実装
ウィジェットには、次の 2 つの機能を実装します。
Bug 634712 のバグのため、ウィジェット API は左右のマウスクリックに対して別個の(または少なくとも区別可能な)イベントを発生させる必要があります。このバグが修正されれば、このウィジェットのコンテンツスクリプトは不要になります。
- ウィジェットを左クリックすると、アノテーターのオンとオフが切り替わります。
- 右クリックすると、ユーザーが作成したすべての注釈のリストが表示されます。
ウィジェットの click
イベントは左右のマウスクリックを区別しないので、コンテンツスクリプトを使用してクリックイベントを取得し、対応するメッセージをアドオンに送り返します。
ウィジェットでは、アドオンがアクティブであることを示すアイコンと、非アクティブであることを示すアイコンの 2 つのアイコンが使用されます。
したがって、ウィジェットのコンテンツスクリプトと 2 つのアイコンの合計 3 つのファイルを作成する必要があります。
data
サブディレクトリの中に、別のサブディレクトリ widget
を作成します。ウィジェットのファイルはここに保存します(このことは必須ではありません。すべてのファイルを data
の下に置くことも可能です。しかしディレクトリを分けた方が、整理された感じがします)。
ウィジェットのコンテンツスクリプト
ウィジェットのコンテンツスクリプトは、以下のように左右のマウスクリックをリッスンして、対応するメッセージをアドオンコードに送信するだけのスクリプトです。
this.addEventListener('click', function(event) {
if(event.button == 0 && event.shiftKey == false)
self.port.emit('left-click');
if(event.button == 2 || (event.button == 0 && event.shiftKey == true))
self.port.emit('right-click');
event.preventDefault();
}, true);
このスクリプトを data/widget
ディレクトリに「widget.js」という名前で保存します。
ウィジェットのアイコン
ウィジェットのアイコンは、ここからコピーできます。
(もちろん、独自のアイコンを作成して使用することもできます。)アイコンファイルは data/widget
ディレクトリに保存してください。
main.js
次に lib
ディレクトリで main.js
を開き、内容を以下と置き換えます。
var widgets = require('widget');
var data = require('self').data;
var annotatorIsOn = false;
function toggleActivation() {
annotatorIsOn = !annotatorIsOn;
return annotatorIsOn;
}
exports.main = function() {
var widget = widgets.Widget({
id: 'toggle-switch',
label: 'Annotator',
contentURL: data.url('widget/pencil-off.png'),
contentScriptWhen: 'ready',
contentScriptFile: data.url('widget/widget.js')
});
widget.port.on('left-click', function() {
console.log('activate/deactivate');
widget.contentURL = toggleActivation() ?
data.url('widget/pencil-on.png') :
data.url('widget/pencil-off.png');
});
widget.port.on('right-click', function() {
console.log('show annotation list');
});
}
アノテーターは、デフォルトで非アクティブです。アクティブ化の状態を切り替えることで、ウィジェットが作成され、ウィジェットのコンテンツスクリプトからのメッセージに対して応答が行われます。
bug 626326 のバグのために、ウィジェットのコンテンツスクリプトで event.preventDefault()
呼び出しても、アドオンバーのコンテキストメニューが表示されます。
まだ注釈を表示するコードが存在しないので、右クリックイベントのみがコンソールにログとして出力されます。
ここで、annotator
ディレクトリで cfx run
を入力します。以下の図のように、アドオンバーにウィジェットが表示されます。
左右のボタンをクリックすると、それぞれに対応するデバッグ出力が生成されます。また左クリックした場合は、同時にウィジェットアイコンがアクティブに変化します。
次のチュートリアルでは、注釈を作成するコードを追加します。