Firefox 22 アドオン互換性情報
[これは Mozilla Add-ons Blog の記事 Add-on Compatibility for Firefox 22 の翻訳です]
Firefox 22 が 6 月 25 日 [日本時間同日深夜] リリース となります。Firefox 22 の変更点でアドオンの互換性に影響を及ぼす可能性のあるものを以下にまとめました。Firefox 22 for Developers により詳しい情報が載っていますので、こちらも併せてご覧ください。
更新: 最近発見された もうひとつの互換性問題についての記事 も参照してください。
一般
- 既定のズームレベルを設定するアドオンが、Firefox の高解像度ディスプレイ (HiDPI) 対応後、Windows 上で予期せぬ結果をもたらす問題 が確認されています。
nsIMarkupDocumentViewer.fullZoom
を使っているアドオンが、特定の状況でこの問題を引き起こします。 getUserData
とsetUserData
がクロームコード専用となりました。これらの関数はコンテンツ上のスクリプトでは使えなくなりました。アドオンを含む特権付きコードからのみ使用可能となります。FillInHTMLTooltip
が XBL バインディングへ移植されました。そのためbrowser.js
内のグローバル関数ではなくなりました。
Places
22 では Places 関連コードのさらなるクリーンアップが行われ、ファイルシステムアクセスが非同期となりました。これらの関数やオブジェクトの代替方法については Places ユーティリティ ドキュメントを参照してください。
- 非推奨となっていた同期 favicon API が削除されました。
nsIFaviconService
から次のメソッドが削除されました。setFaviconUrlForPage
、setAndLoadFaviconForPage
、setFaviconData
、setFaviconDataFromDataURL
、getFaviconData
、getFaviconDataAsDataURL
、getFaviconForPage
、getFaviconImageForPage
nsIGlobalHistory2
の実装が削除されました。nsIBrowserHistory
がnsIGlobalHistory2
を拡張しなくなったため、addURI
、isVisited
、setPageTitle
の実装が削除されました。markPageAsXXX
メソッドがnsINavHistoryService
へ移動されました。これらの関数はnsIBrowserHistory
からnsINavHistoryService
へ移動されました。nsINavHistoryService::AddVisit
が削除されました。- 非推奨となっていた
nsILivemarkService
インタフェースが削除されました。
XPCOM
- コンテンツスコープ内での
Components
オブジェクトの定義が削除されました。Components
オブジェクトは、Bug 429070 に書かれているいくつかの例外 (DOM インタフェース定数) を除いて、コンテンツから利用できなくなりました。 nsITreeView
で使用されていたnsISupportsArray
が削除されました。これにより、getRowProperties
、getCellProperties
、getColumnProperties
のシグネチャと戻り値タイプが変更されました。これらの関数はスペースを区切り文字としたリストを返すようになりました。- ダミーの
PrivateBrowsing
サービスが削除されました。一時的な互換性確保のためだけに残されていたnsIPrivateBrowsingService
が完全に削除されました。 attributes
がNode
ではなくElement
で定義されるようになりました。attributes
プロパティはNode
ではなくElement
のメンバーとなりました。- NSPR と NSS が
mozjs
(Windows 用) やlibxul
(その他のプラットフォーム用) に含まれるようになりました。あなたがバイナリコンポーネントを含むアドオンを開発している場合や、その他の理由で Mozilla のコードをビルドしている場合、これはおそらく重要な変更です。筆者 [Jorge Villalobos] は既に、このためにビルドに失敗したという連絡を何度か受けています。
新機能
- アドオンがダウングレードもしくはアップグレードした場合、ブートストラップ関数にそれぞれのバージョン番号が振られるようになりました。あなたの拡張機能がブートストラップ型の場合、これによってアドオンのアップグレードを行う際により詳しい情報を得られるようになります。
この一覧に載っていない変更点や間違いを見つけたらコメント欄でお知らせください。もしあなたのアドオンが Firefox 22 で動かなくなった場合は、筆者の方でも調査したいと思います。
AMO に登録されているアドオンの 自動互換性テストと対応バージョンの更新 はまもなく行われますので、AMO にアドオンを登録している方はメールをチェックしてみてください。
matsui kanji :