Firefox に WebRTC 登場
原文:“WebRTC comes to Firefox” on June 25, 2013 by Maire Reavy and Robert Nyman [Editor]
4月にも Mozilla Hacks で取り上げましたが、Firefox 22 から WebRTC がデフォルトで使えるようになります。これまでもすでに getUserMedia (gUM) が Firefox 20 から使えていましたが、P2P でのデータ共有や映像/音声通話を可能にする PeerConnection と DataChannel は、Firefox 22 の新機能になります。
WebRTC は Web に初めて、リアルタイム通信を持ち込みました。私たちはこの新しい技術が開発者のもとに渡ることに、とても興奮しています。私たちは、WebRTC で可能になることをまだ表面的にしか知らないと考えています。また、真の可能性は、開発者やアーリーアダプターの手に渡すことで彼ら自身が知ることだとも考えています。
既知の課題や制約
この最初のリリースにおいては、いくつかの課題や制約が残されています。
- 一対一の通話が十分に行えることに注力していました。カンファレンスコールなどを阻害するようなことはしていませんが、デバイスの能力によっては、映像での通話で通信が鈍くなる可能性があります。複数人での通話については将来のリリースで改善します。私たちのロードマップでは、将来のリリースで複数人通話・カンファレンスコールの完全サポートおよびエクスペリエンスの向上を掲げています。
- 通話しているあなた、もしくは通話先の相手の音声が、あなたのコンピューターのスピーカーから流れている際、エコーが聞こえる可能性があります。エコーキャンセラについては対応中ですが、現時点でエコーが聞こえる場合には、ヘッドホンを使ってください。
- いくつかのシステムでは、映像に対し音声が遅れる可能性があります。原因は特定済みで、短期間での解決に向けて動いているところです。
- とくに制限の大きな NAT もしくはファイヤーウォール越しに接続している場合、接続に問題が出る可能性があります。Firefox 23 ではメディアリレー(TURN)のサポートが追加されますので、この状況は改善するでしょう。
いますぐ WebRTC を試すには
Firefox の WebRTC サポートを試してみたい場合は、WebRTC での通話をサポートしている次のサイトをご利用ください。
注: これらのサイトの多くでは、3人以上の通話をサポートしています。一対一(2人)の通話は開発者・アーリーアダプターにとっては十分に動作していると考えていますが、先述のとおり現在のリリースでは、3人以上での通話においては動作の品質にバラつきがでる可能性があります。
自分のサイトで使いたい方は、WebRTC ビデオチャットを自分の Web サイトに埋め込む方法もご覧ください。
DataChannel のテスト
今回のリリースから、DataChannel も試せます。仕様に準拠した DataChannel の実装をリリースしたのは Firefox が業界で初めてになります。DataChannel を利用したサイトやプロジェクトも、すでにいくつか登場しています。
- BananaBread game プロジェクト。私たちの WebRTC Data Channels for Great Multiplayer post という記事にて、BananaBread がどう DataChannel を使っているかを紹介しています。
- TowTruck プロジェクト
- Sharefest – DataChannel を使いファイルを転送します
- PeerCDN – DataChannel を使った、ブラウザベースの P2P CDN です
最新状況のテストには Firefox Nightly を
開発者の方には、Firefox Nightly の利用をおすすめします。Firefox Nightly には最新・そしてすばらしいコードと、機能の向上がもたらされているからです。また、私たちは現在の機能を向上させるほか、開発者、利用者からのフィードバックと WebRTC 標準の進行に応じて新しい機能を追加していくからです。
急速な発展を!
今後何ヶ月間の間に、PeerConnection や DataChannel を使った新しい WebRTC サイトがぐんぐん立ち上がることを期待しています。Mozilla Hacks でも、Firefox および WebRTC の進捗について、引き続き取り上げいく予定です。