Firefox Beta 15 でサポートされる Opus オーディオ形式

原文: Firefox Beta 15 supports the new Opus audio format (on July 19, 2012 by derf)


Firefox Beta logo

Firefox 15 (現在 Beta チャンネル) は、Opus オーディオ形式 をサポートします。これは、Opus のリファレンス実装 です。

これは何ですか?

Opus は、完全にフリーなオーディオ形式であり、最近、IETF により、RFC の標準トラックとしての発行が認可されました。Opus ファイルは、現在の Firefox Beta で再生できます。


Opus audio codec logo

Opus には次の利点があります:

  • MP3、Ogg、AAC 形式よりも 高い圧縮率
  • 音楽とスピーチ の両方に向いている
  • 動的に調整可能な ビットレート、オーディオ帯域幅、コーディング遅延
  • インタラクティブな録音と予め録音されたアプリケーションの両方 をサポート

なぜ関心を持つべきなのか?

はじめに、Opus は自由なソフトウェア であり、誰でも自由に、どのような目的にも使えます。さらに、これは IETF 標準でもあります。固定小数点の実装 (モバイル端末向け) を含め、エンコーダとデコーダの両方がフリーです。これらはお遊びのデモではありません。私たちが作れる最高のものであり、本格的に使えるもの です。

私たちは、Opus が Web オーディオのための信じられないような全く新しい形式であると考えています。私たちは、共通の <audio> 形式の 行き詰まりを打破する ため、他のブラウザが Opus をサポートするように積極的に働きかけています。

このコーデックは、IETF Internet Wideband Audio Codec ワーキンググループ と Mozilla、Microsoft、Xiph.Org、Broadcom、Octasic、その他のメンバー同士のコラボレーションです。

このコーデックは、高品質でインタラクティブな音声 (VoIP、電話会議など) のために 設計され、近く公開の WebRTC 標準 で使用されます。Opus は、ライブストリーミングと静的なファイルの再生に対しても 優位性を持っています。事実、これは、インタラクティブと非インタラクティブなアプリケーションの両方に適合する最初のオーディオコーデックです。

Opus は、基本的に、既存のすべての非可逆オーディオコーデックと競合するそれらの得意な部分に対して 同等かそれ以上 の品質を持っています:

一般的なオーディオコーデック (高レーテンシー、高品質)
  • MP3
  • AAC (すべてのフレーバー)
  • Vorbis
スピーチコーデック (低レーテンシー、低品質)
  • G.729
  • AMR-NB
  • AMR-WB (G.722.2)
  • Speex
  • iSAC
  • iLBC
  • G.722.1 (すべての派生)
  • G.719

さらに、これらのコーデックのうち、Opus がサポートしている様々な用途にすべて対応しているものは まだありません

リスニングテストでは、次の結果が示されています:

これらは、多くの帯域が節約でき、さらに柔軟性があることを示しています。

Opus は、次のストリームができます:

  • 6 kbps 程度の低いビットレートで 狭帯域のスピーチ
  • チャンネルあたり 256 kbps のビットレートで 全帯域の音楽

これらよりも高いビットレートでは、可逆圧縮に近い (perceptually lossless) 音質です。また、ネットワークの利用可能な帯域に依存しますが、これら 2 つの極端なビットレートの間で動的にスケール します。

Opus は、スピーチの圧縮に長けています。全帯域のモノラルのスピーチでも 同じテスト結果 (スライドの 19 ページ参照) が出ており、32 kbps の Opus が 原音に最も近い ことを示しています。オーディオブックとポッドキャスト については、完全に勝っています。

Opus は、短いファイル (ゲームのサウンドや効果音など) と スタートアップレーテンシー にも優れています。なぜなら、Vorbis と異なり、各ファイルの出力時に数キロバイトのコードブックを必要としないからです。これにより、中間ストリームに加わるクライアントに送信するための外部データをサーバが保持しなくなるため、ストリーミングしやすくなる という利点もあります。Opus は、オンザフライで構築される、小さく一般的なヘッダを代わりに送信します。

Web ページ内で使用するには?

Opus は、他のオーディオ形式のように、<audio> 要素で使用できます。

コード例:

 <audio src="ehren-paper_lights-64.opus" controls>

このコードを Web ページ内に記述すると、次のような埋め込みのプレーヤーが表示されます:





Paper Lights by Ehren Starks Creative Commons License

 
(再生するには Firefox 15 以降が必要)

ファイルのエンコーディング

今のところ、Opus ファイルを作成する最も良い方法は、opusenc ツールを使うことです。次のサイトから Mac および Windows 用のバイナリとソースコードがダウンロードできます:

http://www.opus-codec.org/downloads/

Firefox 15 が Opus をネイティブにサポートする最初のブラウザなので、gstreamerlibavcodecfoobar2000、他のメディアプレーヤーにも再生機能が追加されるでしょう。

ストリーミング

ライブストリーミングのアプリケーションは、Opus の柔軟性により、優れた利点を得られます。音声や音楽、その他のサウンドに最適化するため、低い帯域幅や高品質のものが欲しいとしても、先に決めておく必要はありません。ストリーミングサーバは、ネットワークの状況が変わっても、プレーヤーへのストリームを中断せずにエンコーディングに適応 できます。

予めエンコードされたファイルは、通常の Web サーバからストリーム できます。人気の Icecast ストリーミングメディアサーバ は、シングルのオンザフライで生成されたライブ Opus ストリームを数千人の接続された聴取者に中継できます。Opus は、Icecast の現在の開発版 (2.4 beta) でサポートされています。

他の情報

より詳しい情報は、opus-codec.org サイトを訪れるか、irc.freenode.net の #opus チャンネルに参加してください。