Firefox 11 のアドオン互換性に関わる修正のまとめ
[これは Mozilla Add-ons Blog の記事 Add-on Compatibility for Firefox 11 の抄訳です]
Firefox 11 が数週間前に Aurora チャネルへ移行し、Firefox 12 もまもなく後に続きます。ここで、本来もっと早く投稿するはずだった、アドオンの互換性に影響を及ぼす可能性がある Firefox 11 の変更点をまとめたいと思います。下の Firefox 10 の説明に書きましたが、最近様々なことに取り組んでいたため、記事の公開が遅くなってしまいました。申し訳ありません。
Firefox 10 に関するいくつかの注意
すべてが予定通り行けば、Firefox 10 が今から 1 週間以内に公開となります。Firefox 10 については特筆すべきことがいくつかあります。
- Firefox 10 以降、アドオンの互換性が改善されます。最高対応バージョン (
maxVersion
) が Firefox 4 以降に設定されているアドオンは、原則として Firefox 10 以降のバージョンにも対応しているものとして扱われます。ただし、拡張機能以外のアドオン (テーマ、スペルチェック辞書、言語パック) とバイナリコンポーネントを含む拡張機能は除きます。また、各アドオンについて、互換性の問題があり正常に動作しないことが分かっているバージョンがある場合は、Mozilla 側で例外リストに載せることで非互換とします。筆者 [Jorge Villalobos] がここ数週間多忙だったのは、この機能の実装に時間を取られていたためです。例外リストを常に最新の状態に保つため、皆さんのご協力をお願いします。 omni.jar
をomni.ja
にリネームしました。アドオンからomni.jar
を直接参照している場合は動作しなくなります。このアーカイブに含まれるファイルの多くはchrome
URL を通じて参照可能なはずですので、必要な場合はそうしたより柔軟な方法を探すよう推奨します。
Firefox 10 の互換性に関する詳しい情報は、Firefox 10 のアドオン互換性に関わる修正のまとめ をご覧ください。
Firefox 11 の変更点
requestAnimationFrame
の引数なしの形式が削除されました。今後、この関数にはひとつの引数が必須となります。nsIDOMNSElement
が削除されました。これは古いバージョンの SDK を使っている Jetpack アドオンの大半に影響します。できるだけ早く最新の安定版へ更新するよう推奨します。navigator
にプロパティが保存される不可解な挙動が修正されました。アドオンから、Web ページ内のnavigator
オブジェクトに拡張プロパティを設定し、それを利用して同一ドメイン内でのページ遷移中に何らかの情報を保存している場合、この修正による影響を受けます。nsIDOMGeoPositionAddress.idl
からcountryCode
が削除されました。非標準のcountryCode
プロパティが削除されました。- 動的コンテナが廃止されました。これはブックマーク関連コードに実装されていた無名の機能で、ほとんど使われていませんでした。
nsICharsetResolver
が削除されました。
その他の重要な変更は Firefox 11 for developers にまとめられています。
Firefox 11 の新機能
XMLHttpRequest
内での HTML パースに対応しました。この機能の ドキュメント は現在まだ執筆中ですが、既に役に立つ情報が載っています。- アドオンの同期が実装されました。Firefox Sync で、インストールされているアドオンをデバイス間で同期できるようになるようです。ただ、プロファイル内や他の場所に独自ファイルを書き込んでいるアドオンでは、おそらくすべての設定が同期されないでしょう。
- スクリプトで Dock アイコンのオーバーレイ文字列を設定する方法が実装されました。Mac OS X で、Dock 内のアプリケーションアイコン上に情報を表示したい場合に活用してください。
この一覧に載っていない変更点や間違いを見つけたらコメント欄でお知らせください。もしあなたのアドオンが Firefox 10 や 11 で動かなくなった場合は、筆者の方でも調査したいと思います。
上記のアドオン互換性改善により、これまでのような 対応バージョンの自動更新 は今後行いません。自動テストは引き続き実施しますが、互換性がないと判断された場合に作者へメールで通知するだけです。自動更新自体は、もはや必要がなくなったため廃止します。