3 次元プラットフォーム
原文: http://shaver.off.net/diary/2011/06/17/a-three-dimensional-platform/
この投稿は、WebGL はセキュリティ懸念があり有害であると Microsoft が主張している件について、Mike Shaver (Mozilla 技術戦略担当バイスプレジデント) が応える形で執筆したブログ記事の翻訳になります:
3 次元プラットフォーム
Firefox は現在すべてのデスクトッププラットフォームで、WebGL という技術をサポートしています。Web 開発者は WebGL により、テクスチャやシェーダを用いた高速な 3D グラフィックスが使えるようになります。これは Doom 3 あるいは World of Warcraft、実質的には iPhone, OS X, Android, Linux で実行されるすべてのゲームと同じ機能を実現するものです。
Context IS 社を含むセキュリティ専門家は (クロスドメイン画像読み込みに関する) WebGL 仕様と Firefox 固有の実装に関するセキュリティ問題を発見しました。いずれの問題も、他のセキュリティ問題同様に修正され、最近では WebGL の本質的なセキュリティと、そもそもブラウザで今後サポートすべき技術であるのかという議論へと移っています。
Web が 3D 機能を必要としていることには疑いの余地はないでしょう。ほぼすべてのプラットフォームでは開発者が低レベル 3D 操作を行う機能を実装し、高度な可視化、ゲーム、あらたなユーザインターフェイスを作るために必要な機能を提供しています。
- Adobe は “Molehill” というプロジェクトで Flash に 3D を実装しており、彼らはこう言っています:「設計については、私たちのアプローチは WebGL の設計とよく似ている」
- Microsoft も Silverlight 5 (SL5) で同様のことをしています。彼らは XNA グラフィックを Silverlight 3D に導入しています。
彼らのセキュリティレビュープロセスを通過する必要があるという Microsoft の懸念はもっともであり、同じことが WebGL 標準化における議論の大部分を占めていました。それがどのようなものであれ、Silverlight 3D で低レベル D3D API を覆うため彼らが適用した手法が Microsoft が WebGL を実装する際にも適用できるでしょう。Silverlight は Mac もサポートしているため、その手法は OpenGL に対しても適用可能なものだと自信を持って言えそうです。Microsoft のグラフィックチームは D3D シェーダパイプラインを不正な入力に対して強固なものとするため素晴らしい仕事をされています。(Vista や Windows 7 の Windows ディスプレイドライバモデル (WDDM) は、ドライバレベル問題の「爆発半径(影響範囲)」を劇的に縮小するために、非常に有用な資産になります。ドライバが WDDM であるかによって SL5 の 3D サポートがデフォルト有効か無効か分かれる理由は恐らくこのためでしょう。OS X において SL5 のモデルがどのようになるのかは今のところ私には分かりませんが。)
OS ベンダーに比べれば、物理レイヤまで制御しているわけではないスタックの上で開発をしている私たちは楽な立場かもしれませんが、私たちは問題とされているドライバの開発者と議論をし、彼らが私たちと共に最大限の努力を続けること、Microsoft が共通のユーザに強固で安全な環境をもたらしてくれることは確信しています。他の開発者同様に、Web 開発者にも優れた 3D サポートが必要であり − Flash や Silverlight と同じく − ブラウザでも、すべてのオペレーティングシステムで安全に機能を提供できるよう、注意深く慎重に実装される必要があります。