日本語化作業環境の準備

このページでは Mozilla アプリケーションの日本語化のための作業環境を用意する手順を解説します。

必要なものを用意する

作業環境を準備する前に、日本語化作業に必要なものを確認し、足りないものがあれば用意してください。各種コマンドにはパスを通しておくのを忘れないようにしてください。

手順を気にせず一気にセットアップする場合

次のコマンドを実行してください。

hg clone https://code.google.com/p/mozja.lot/ lot; cd lot
ant setupl10n

これだけでセットアップできます。簡単ですね。(・・)v

ユーザ設定の確認やリポジトリ clone の確認などが行われるので、それに答えていってください。英語リソースの zip をダウンロードするのではなく、差分も取れるように mozilla/comm リポジトリを clone する場合、1GB 程度の空き容量が必要となりかなり時間がかかります。

手作業ですべて1つずつセットアップする場合

詳細が気になる人、1つずつ作業したい人、lot を使わずセットアップしたい人は下の説明を読んでください。

Localization Tools を clone

hg clone https://code.google.com/p/mozja.lot/ lot
cd lot

自分で mozja リポジトリに push しないのであれば Mercurial (hg) を使う必要はありません。Localization Tools は FTP サイト に zip したものがありますので最新版をダウンロードしてください(ファイル名の revXXX は対応する hg リビジョン)。ただし lot が更新されたときには hg pull -u するだけで済むところを手動で入れ替える必要があります。

Localization Tools のユーザ設定ファイルを生成

ant genconf

指示に従って入力すると、ユーザ設定ファイル config/user.conf が生成されます。デフォルト設定のまま使う場合にはこの手順は省略できます。

mozja リポジトリの日本語リソースファイルを clone

ant clone-src

自分でリポジトリにコミットすることなく、修正したファイルを送付したりテストしたりするだけであれば、これで準備は完了です。

clone-src ターゲットでは mozja リポジトリを clone します。lot ではなく手動で処理したい場合、Trunk (Aurora対応) であれば次のコマンドを実行してください。

hg clone https://code.google.com/p/mozja/ src/trunk/

hg.mozilla.org の L10N リポジトリを clone

ant clone-locale

日本語の L10N SVN リポジトリ側だけで作業し、hg.mozilla.org の L10N HG リポジトリにコミット予定がない場合、HG リポジトリとの差分を確認する必要がない場合にはこの手順は不要です。

clone-locale ターゲットでは l10n hg レポジトリを clone して、.hg/hgrc の [path] セクションに default-push を自動追加します。lot ではなく手動で処理したい場合、Aurora であれば次のコマンドを実行してください。

mkdir l10n
hg clone http://hg.mozilla.org/releases/l10n/mozilla-aurora/ja l10n/aurora/ja
vi l10n/aurora/ja/.hg/hgrc
# 次の行を追加する:
# default-push = ssh://hg.mozilla.org/releases/l10n/mozilla-aurora/ja
hg clone http://hg.mozilla.org/releases/l10n/mozilla-aurora/ja-JP-mac l10n/aurora/ja-JP-mac
vi l10n/aurora/ja-JP-mac/.hg/hgrc
# 次の行を追加する:
# default-push = ssh://hg.mozilla.org/releases/l10n/mozilla-aurora/ja-JP-mac

hg.mozilla.org のリポジトリから英語リソースファイルを取得

# mozilla, comm リポジトリの clone には時間がかかります
ant clone-mozilla
ant clone-comm
ant get-en-US

各レポジトリから最新のファイルを取得せずとも少し古いファイルで構わない場合、特定のリビジョンを指定してファイルを取得する必要がない場合については、リポジトリを clone せずとも単に en-US の言語リソースをダウンロードしてくるだけでも構いません:

ant download-en-US

clone-mozilla, clone-comm ターゲットでは mozilla, comm レポジトリを clone します。get-en-US ターゲットでは各レポジトリから言語リソースファイルを抜き出して l10n レポジトリのディレクトリ構成で l10n/en-US ディレクトリにコピーします。lot に頼らず手動処理したい場合、Aurora 対応であれば次のコマンドを実行してください(get-en-US の手動処理は大変なので lot を使ってください):

hg clone http://hg.mozilla.org/releases/mozilla-aurora hg/mozilla-aurora
hg clone http://hg.mozilla.org/releases/comm-aurora hg/comm-aurora

リポジトリの取得方法について詳しくは MDC の Mozilla Source CodeL10N on Mercurial ページなどを参照してください。

Mercurial の設定

Mercurial を初めて使う場合などは忘れずに ~/.hgrc に設定しておきます:

[ui]
username = foo <foo@example.com>
merge = diff3
ignore = ~/.hgignore

[diff]
git = 1

[defaults]
add    = --encoding=utf-8
clone  = --encoding=utf-8
commit = --encoding=utf-8
init   = --encoding=utf-8
pull   = --encoding=utf-8
push   = --encoding=utf-8
remove = --encoding=utf-8
revert = --encoding=utf-8
update = --encoding=utf-8
diff   = -p -U 8

[web]
push_ssl = false

~/.hgignore ファイルに Mercurial が無視するファイルとして、エディタや OS が自動生成してしまうファイル、Subversion 管理ファイルなどを指定しておくと便利です。

syntax: glob
*~
.DS_Store
.svn
.hgignore

username や merge については各自適切に置き換えてください。
~/.hgrc に書いた設定はそのユーザが Mercurial を使用するときに常に利用されます。Mozilla 以外のリポジトリでは別の設定にしたい場合、その設定はリポジトリ毎の .hg/hgrc ファイルに記述してください。

hg.mozilla.org に push する際は SSH で接続しますので、SSH のアカウント設定を ~/.ssh/config で指定しておきます(推奨):

Host hg.mozilla.org
User user@example.com

あるいは ~/.hgrc で SSH ユーザ、サーバを指定することもできます:

[ui]
ssh = ssh user@example.com@hg.mozilla.org