日本語リソースを修正するには

このページでは Firefox, Thunderbird, Seamonkey などの日本語リソースを修正する手順を説明します。

はじめに

Mozilla アプリケーションの日本語化では大きく分けて次の 2 つの作業をすることになります。

  1. 日本語版の修正、更新
    日本語訳の間違いを修正したり、訳語の変更、より分かり易い表現への変更などを随時行います。
  2. 英語リソースとの同期
    最新の開発版では随時新しい文字列(エンティティ)の定義が追加、削除、変更されます。新バージョンに対応するには、最新の英語版に合わせて日本語リソースを同期する必要があります。

後者ついては、話が少々複雑になるので、別途「最新の英語リソースと同期させるには」ページで説明します。
ちょっと typo を修正したり翻訳を改善する程度なら簡単にできるので、ここでは簡単な修正に必要なことだけ説明します。

作業手順 (Google Code 上で行う場合)

多数のファイルを修正する場合には向きませんが、mozja リポジトリの書き込み権限があり、ちょっとした typo の修正程度であれば、ブラウザだけで Google Code 上で直接作業できます。

Google Code に Sign in したら該当するファイルを Browse 配下から探し、ファイルを選択、画面上部の Edit file をクリックします。例えば作業メモを残す ja.status ファイルであればこの URL を開くことになります。

中央のテキストエリアで修正し、Preview diff リンクで差分を確認し、画面下部の “Describe your change” と書かれたテキストエリアにコミットログを書き込んだら Commit ボタンを押してください。

作業手順 (自分でリポジトリに反映させない場合)

  1. 最新の日本語リソースファイル (Aurora 対応) は mozja リポジトリ で管理されています。次の hg コマンドでリポジトリの clone を取得するか、日本語リソースファイル の zip をダウンロードしてください。
    hg clone https://code.google.com/p/mozja/
  2. 気になった日本語ラベルの文字列を検索し、UTF-8 対応のテキストエディタで適切に書き換えてください。
  3. 手順 1 で hg コマンドを使用した場合は hg diff コマンドで生成される差分ファイルを、zip をダウンロードした場合は diff -ru コマンドで前後の差分を生成するか、修正済みの全ファイルを zip にまとめ、mozja リポジトリの書き込み権限のある人に送付してください。

差分ファイルの送付はやりやすい方法で構いません。何処かにアップロードしたり、Pastbin に差分ファイルを貼り付けてその URL をフォーラムに書いていただくなど、差分が正しく伝わればどんな方法でも構いません。

作業手順 (自分で mozja リポジトリに push する場合)

Google Code の mozja リポジトリ の書き込み権限を持っていない場合、L10N フォーラムなどで既存のプロジェクトリーダーにコンタクトして権限申請してください。この場合は Mercurial (hg) が必須になります。

  1. まずは mozja リポジトリを clone してください
    hg clone https://code.google.com/p/mozja/
  2. 気になった日本語ラベルの文字列を検索し、UTF-8 対応のテキストエディタで適切に書き換えてください。
  3. 書き換えた内容に間違いがないか、他の人との作業重複がないか確認してください。
    hg pull -u
    hg status
    hg diff
  4. ローカルに clone したレポジトリに修正を commit する
    hg commit -m "コミット内容を簡単に説明したコミットログ"
  5. リモートリポジトリ (mozja) に変更をプッシュする
    hg push
  6. プッシュされた内容を確認する
    サーバにコミットすると変更した内容が Google Code の Updates にチェンジセットとして表示されるので、リンクを開いて差分を確認してください。

注意事項

日本語リソースの修正作業を行う上でよくある問題について書いておきます。必要に応じて「よくある質問」ページもご覧ください。

  • 修正した内容をすぐに実際のアプリで確認したい場合には言語パックを作ってください。詳しくは Localization Tools の使い方をご覧ください。
  • http://ftp.mozilla.org などで公開されているビルドは mozja リポジトリではなく hg.mozilla.org の L10N リポジトリのリソースを元にビルドされています。mozja リポジトリに入った修正は hg.mozilla.org のアカウントを持ったスタッフが後日反映させるまでしばらくお待ちください。
  • 一部のエディタには円記号 “¥” と バックスラッシュ “\”、全角チルダ “~” (U+FF5E) と波ダッシュ “〜” (U+301C) といった OS 依存文字をいずれかに自動変換する機能が備わっています。設定でオフにするか、そのような意図しない自動置き換えが行われないエディタをご利用ください。
    note: 全角チルダと波ダッシュはフォントによっては同一字形で表示されますが、Unicode 上では異なる文字です。
  • 初めて hg をお使いの場合は環境設定ができているか事前にご確認ください。username が未設定のままでコミットするとコミットユーザ名にローカルマシンのユーザ名などが使われてしまいます。
  • Google Code に hg push する際のパスワードは Google アカウントのログインパスワードではありません。Google Code 用のパスワードは乱数生成されており、ユーザ設定画面で確認できます。Google アカウントのログインパスワードを許可する設定もありますが、Google Code 専用アカウントでない限り同じパスワードを使うことはお薦めしません。
  • Google Code への push 時に毎回ユーザ名とパスワードを入力するのが面倒な場合は src/trunk/.hg/hgrc ファイルで次のように default-push を設定してください。ドメイン名の前にアカウント名とパスワードを設定しますが、メールアドレスの @ は %40 とエスケープする必要があるので注意してください。
    [paths]
    default = https://code.google.com/p/mozja.lot/
    default-push = https://username%40example.jp:パスワード@code.google.com/p/mozja.lot

2 件のコメント

  1. 佐田浩二 :

    貴社の繁栄を願うものとして 苦言を呈したいと思います、まず肝心な所が英語になり期待が削がれてしまう。諸々の製品の詳細をクリックすれば又 英文 此れは日本での戦略の一つなのですか。でもこのままの
    状態ではアンインストロールします。随分いい製品が多いのですが、これでは本当に宝の持腐れ的になります、 

  2. dynamis :

    一般のユーザさんがご覧になる範囲であれば殆どが翻訳されているかと思うのですが、肝心なところというのは具体的にどちらになりますでしょうか?
    フォーラムなどで具体的に英語の箇所と翻訳文の提案など頂ければ反映することもできるかもしれません。
    http://forums.firehacks.org/l10n/
    なお、「Firefoxについて」画面中央部については元々(英文のみ有効な)ライセンス関連の記述があったところで、今もリンク先は英語サイトであるといったことから(今では翻訳不可能ではないが)そのまま英語で残しています。